今日の金沢は日中を通して雲が広がりやすく、夕方以降は雨が降り出すでしょう。最高気温は26℃の予想ですが、肌寒さを感じる一日となりそうです。

9月に入っても天候不順が続くなか過去の旅写真を振り返る「奥能登国際芸術祭」回想記の第12弾です。
今回訪れたのは、どこまでも広がる美しい砂浜と青い大海原を舞台にした小山真徳氏の作品「最涯の漂着神」です。波打ち際に佇む木造船とあばら骨のような造形が、さいはての地に神秘的で神聖な空気を漂わせています。笑




砂浜に置かれた木造船の船首から伸びる骨組みのトンネルは、打ち上げられたクジラなど巨大な海の生物の骨格を思わせます。
澄み渡る青空と果てしなく続く日本海を背景に、流木や海藻が織りなすダイナミックな造形が圧倒的な存在感を放ち、まるで太古の昔にこの地へ漂着した神聖な遺構の前に立っているかのようです。




あばら骨のトンネルを覗くと、奥には黒い長髪を蓄えた神像が鎮座しています。
奥能登では古来、漂着物や寄鯨を恵みをもたらす「エビス様」等の漂着神として尊ぶ風習がありました。作品に宿るその信仰の記憶は、厳しい海とともに生きてきた人々の祈りと重なり、訪れる者を時を超えた神話的世界へと深く引き込みます。




さいはての浜辺で出会った漂着神は、海の豊かな記憶と自然の厳しくも美しい営みを静かに伝えてくれました。
さいはての地で出会う味わい深いアートの旅、次回も奥能登の風土と響き合う素晴らしい作品をご紹介していきますので、どうぞ楽しみにお待ちください。どこまでも青く広がる海とともに旅の鮮やかな感動が心を満たします。




【撮影場所 珠洲市粟津海岸:2017年09月09日:PENTAX K-3】
つづく



